
建物の施工は非常に大掛かりで時間もある程度必要となるものです。一般住宅をはじめ、大規模なビルなどボリュームに関しては非常にバリエーションが多いでしょう。しかし、施工に関しての基本的な流れに関しては共通しています。そこで今回は、建設業における施工の流れについてご紹介いたします。
1. 現地調査
建設に関する依頼を受けたら、まずは現地調査から実施することになります。いわゆる土地にあたる現場の状況や周辺環境など、建設をするためにあらかじめ確認をしておかなければならない内容を、実際に現地でチェックするための作業です。
建築には建物の設計図などがとても重要になりますが、どれだけしっかりとした作りになっている建物でも、建てる場所が良くなければ進化を発揮できなくなってしまいます。あるいはその土地に対して適していない建物になってしまう恐れもあるのです。いざ建築が始まってしまってからでは手遅れになってしまいますし、損害も発生してしまうため、そうなることがないように確かめるのです。
現地調査は依頼元との打ち合わせの前に行うことになります。現地調査をする時点では当然工事前の状態となりますので、周辺住民の方などのへの拝領が求められます。現地を訪問する際には服装や現地での行動などに気をつける必要があるでしょう。
現地の状況をその目で確かめた上で具体的な建設に関する内容を打ち合わせることによって、確実な内容でさまざまな項目を決定することが可能となるのです。図面や画像、動画などでは知ることの出来ない、現地に足を運んで初めて分かることが少なからず存在します。計画を滞り無く進めるためにとても重要な作業です。
2. 解体(必要がある場合のみ)
この工程は必ず発生するというわけではありません。しかし、すでにある建物を解体して同じ場所に新たな建物を建てるというケースは少なくありませんので、想定される作業のひとつとなります。解体工事には大きく分けて以下の2種類の工事があります。
2-1.ミンチ解体
重機を使用して一気に建物を解体する工事のことを『ミンチ解体』といいます。一般的にみなさんが解体と聞いてイメージされるのはこの工事です。作業期間が短く費用も抑えられるというのがメリットです。しかし、2003年に建築リサイクル法により禁止されたため、現在では行われることはありません。
2-2.分別解体
現在行われている解体工事がこの『分別解体』です。その名の通り、解体作業をする中で発生するさまざまな産業廃棄物を、しっかりと種類ごとに分別しながら解体していくことになります。
解体工事の流れとしては、まずは解体に関する申請をした上で、受理され次第作業開始です。外構から徐々に進めていき、最終的に建物本体を解体するという流れで行います。作業時には騒音や振動、粉塵によって周辺環境に迷惑をかけてしまう可能性が高いため、事前に周知をしっかりと行った上で作業に取り掛かります。
3. 基礎・大工工事
いよいよ建築の本格的な作業となります。まずは基礎工事を行ったあと、大工工事というのが一般的な流れとなります。
3-1.基礎工事
まずは地面の状態を整えた上で、配筋やコンクリート打設を行います。建物の土台となるとても重要な工事となりますので、設計図面を忠実に寸分の狂いもないような精度で施工していくことになります。万が一でもミスやズレがあると、その上で行うことになる大工工事や内装工事を台無しにしてしまう恐れがあるでしょう。耐震性など建物としての耐久性にまで深く影響を及ぼすため、高い精度での施工が求められます。水道などインフラで使用する配管もこのときにおこなわれます。
3-2.大工工事
基礎部分が完成したあとは、その上に建物を作る作業である大工工事となります。図面通りに柱を立てた上で、梁を載せていきます。組み立ての手順に関しては決まりがあるわけではなく、職人の方のスキルによって決められるでしょう。熟練の方ほど無駄なく効率的に正確な組み立てを行うというわけです。その後、床板や屋根の取り付けなどを進めていき、断熱やサッシを含む外壁周辺の施工が行われます。石膏ボードの取り付けや外壁の工事まで進むと大工工事は完了です。
4. 内装工事
内装工事は出来上がった建物内部に関する工事のことです。間仕切り壁の取り付けをはじめ、建具の取り付けや天井や床などの完成をするというのが主な作業内容となります。事前にデザインや建具の種類、間取りなどを決定しているので、その内容に合わせる形で実際に内装を作り上げていくことになるというわけです。内装工事をしなければ、照明やキッチンを始めとする設備に関しても一切取り付けられていない状態となりますので、安心して住むことができる状態にするための工事です。
設備に関しては既製品を使用するケースであれば納入後に取り付けを行うだけですので非常に簡単でしょう。造作となった場合には、その場で採寸をするところから始まりますので、若干工数が発生することになります。塗装の際などには、事前に見本の作成が必須となります。塗布する素材と同じものを使用して色見本を作成することによって、オーダーと相違のない仕上がりを実現することが可能となるでしょう。内装工事が完成したあとは、最終チェックを行います。依頼元の立ち会いのもと竣工検査を実施し、そこで問題がなければ引き渡しとなり施工が完了です。
5. まとめ

依頼を受けてから建設完了までには、今回ご紹介した調査をはじめとするさまざまな工程が必要となります。施工の流れがわかっていると安心して依頼しやすいのではないでしょうか。実際には依頼内容によって異なりますので、依頼先に確認しましょう。「シンコーエコテック株式会社」では、確かな技術による施工を行っております。建設業関係でご依頼先をお探しの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。